2002年12月30日月曜日

DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN

長いメンバー名であるが、メンバーも多く11名)、それに今回は4月以来のブラスサポート3名のハイブラス仕様で14名構成。
で、今回のイベントと言うのはレコ発記念でそのCD名も長く「GENERAL PREPRESENTATION PRODUCTS CHAIN DASTISM 2CD」(略称GRPCD2)で、今回の演奏は1曲平均20分くらいで合計3時間とここまで書けばDCPRGを知らない方には(苦笑)の神様が降りてくるでしょう。

 曲のジャンルはと言えば、エレクトリックマイルス以後の音楽、「大人数・不協和音ファンク&ジャズバンド」、踊れなさそうな変拍子または3拍子と4拍子の混在で踊るというバンド。
とまあ、ここまではDCPRGについての復習。
今回は
キャッチ22
S(の後半?)
プレイメイツ・アット・ハノイ
未発表曲?
未発表曲?
サークル/ライン
ヘイ・ジョー
��アンコール)
S(の前半?)
ミラーボールズ
と言う構成。初期の設定ではDCPRGは1972-2002までと言うコンセプトだったが、本当に今日終わってもいいのじゃないかと言うくらいの熱狂と幸福感に包まれていました。最高だったと評判の高い2001年9月のライブ(奇しくも9月11日以後最初のライブで、戦場下のカオスをグルーヴとダンスで表すコンセプトのグループとしては最高で最悪の舞台でのライブだったことを覚えています。逆境を好む指揮官を見つめるメンバーの緊張感あふれる視線が忘れられません。)よりも良かったのじゃないかと思えて仕方がなかったかな。今回には前回と違い幸福感があったと思う。(大友良英と言う素晴らしいギタリストが抜けるのにね(苦笑))
 ご存知の方はご存知の通り、DCPRGはいつもキャッチ22という最もカオスあふれる曲からスタートするわけで、今までのすべてのDJの音楽をリセットしてくれるこの曲はもっともクレージーで大好き。指揮官の指揮で演奏に一瞬の空白がおき、その後カオスが大きくなっていくと、前後左右上下のリズムの見境がなくなって踊りつづけます。で、わざとフロアの最後尾の方で踊っていました。前の方はモッシュが起こっていたようですが(ジャズでモッシュ!!)、この不規則に踊る音楽ではかえってモッシュは邪魔になる(モッシュがいけないというわけではありませんよ。初期衝動の塊は大好きです。)かなと思いそれは正解でしたね。半目あけて(コンタクトのせいもあるのだが・・・)、誰にも邪魔されずに踊れる幸福感!!。
 今回のライブと言うのは偉大なる大友良英という人が脱退するというライブでして、大友良英のいるハイブラス仕様はこれで最後なのでしょう。マシンガンのようなギターももう見れないのかー。大友さん気合入ってたなあ。
 「えー。でも、2ちゃんねるにさあ、大友は最初からミスキャストだから丁度良いって書いてあったぞ(笑)」
 「鋭いな(笑)」
という会話が過去に大友さんと菊地さんの間であったそうで、でもあの猫背の体からひくギターでフロアを沸かせられるというのは只只すごいとしか言い様がない。マシンガンみたいにギターを弾くところ以外でもそうなんですが、リズム隊や高井さんのギターがはっきり指揮どうりの動きをしている印象に比べて大友さんのギターは自由に動き回っているというかそんな印象を受けるのです。それがかっこいいの。
 アンコール前の「たまにはワーとかイェーもいいけど、ブーイングもやってみたら良いよ。こいつが脱退するんだよ。」
「ブー、ブー、アハハハ」
「拍手も素晴らしいけどブーイングも素晴らしい」
という会話・・・最もきれいなブーイングだったはず。誰も大友さんが抜けるのを良しと思っていないのをブーイングで送り出してやるって感動的かも。
 DCPRGは長時間のときは喧騒の後をいつも幸福感で締めるわけで、喧騒で締めるバンドとは少し違う。それがまた、うーんなんだろう、すごく好き。
 「この外は最悪だけど、パーティーだけは楽しみましょう」朝の5時前となって、ミラーボールズという曲の最後の方に闇が明けるように会場全体の照明が全て点いたんですよ。全ての人の顔が見える状態で、会場が七色に写ってね。周りを見渡してね。綺麗でしたね。最高に幸福感あふれる光景でした。いつもはフロアに背を向けコンダクトを揮る菊地さんがカーマにもたれかかってこちらを見てね。最高に素晴らしい。瞬間だった。

1 件のコメント:

  1. DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN、大友良英+タツヤオオエ

      2002/12/29 新宿リキッドルーム

    DCPRGの本年最後のライヴです。この日は4月のON AIR EASTでのライヴに続き、オールナイトで3時間、ハイブラス入り仕様でのライヴです。

    告知されていたタイムテーブルは以下の通り。

    21:00 OPEN~(DJ:TA-1)
    21:30 THE FOX 30分
    22:00 転換 15分
    22:15 赤犬 60分
    23:15 永田一直 30分(サブステージ)
    23:45 大友良英×オオエタツヤ 40分(サブステージ)
    0:25 パードン木村×某有名DJ(シークレット)30分(サブステージ)
    0:55 DJ Quietstorm 30分(サブステージ)
    1:25 DCPRG
    4:15 タツヤオオエ 15分(サブステージ)

    私は23時30分ちょっと前に入場しましたが、すでに満員といっていい客入り。赤犬のライヴが押していて、最後の3曲だけ見れましたが、パフォーマー多数を含めた大人数で、普通のJポップ風の曲からメトロファルスを思わせるダンスナンバーまで、とらえどころが無いという印象でした。

    永田一直のDJ約30分(クラフトワークの「ツール・ド・フランス」もあり)を挟んで、0時過ぎから大友×オオエがスタート。DJというより大友のハードコアなターンテーブルソロをオオエが補完するといったイメージ。大友のカートリッジから引き延ばした線を直接鳴らすノイズやシンバル等を使ったフィードバック音に、断続的なオルガン等のフレーズ(これは多分オオエの音)が組合わさる形が基本。前半は小音量で観客も集中力に欠け、話し声等も目立ちましたが、後半ヴォリュームアップしてからはさすがに音に圧倒されていたようでした。リキッドのPAと相まって低音の迫力はまるでボディソニック状態。昔法政で見たソロを思い出しました。予定を上回る1時間弱の演奏時間でした。

    続いてパードン木村のDJ。相方の「某有名DJ」は出てたのかどうかよく判りませんでしたが、モジュール型のアナログシンセを用意してレコードの音に直接電子音を重ねる手法は面白い。続くQuietstormはツェッペリンの「胸いっぱいの愛を」「カシミール」などロックな選曲で、なかなか楽しめました。

    定刻よりかなり遅れて、2時からDCPRGのステージが開始。メンバーがステージに出てくると同時に観客がステージ前に押し寄せ、一挙に超過密状態に。メンバーは久々に揃ったというレギュラーメンバー全員に加え、4月のライヴからtpを1名減らしたハイブラス隊3人の系14名。坪口はマスターキーボード+プロフェット5のセッティング。ヴォコーダーもプロフェットでコントロールしていました。マスターキーボードはフェンダー・ローズ系のエレピ音でほぼ統一。プロフェット5はスペイシーなエフェクト音でもかなり効果的に使用されていました。菊地はいつもコンボオルガン音色で使用しているキーボードに加え、右手にもう1台キーボードを追加、3などでシンセストリングス音色でテーマフレーズを弾いたりしていました。大友はいつも使用しているギターに加え、ギブソンSGとセミアコのギターを用意、曲によってかなり頻繁に持ち替えていました。高井はストラトを主に使用し、アンコールの2曲ではセミアコを使用。大儀見の髪型が凄い。右半分は黒髪短髪で左半分はスキンヘッドです。4月のライヴはかなり音のバランスが悪い印象でしたが、この日はその時とほぼ同じ立ち位置で聞いたのに非常にバランス良く聞こえました。4月のライヴPAがよほどまずかったということなんでしょうか?


     1.CATCH 22 (A~B)
     2.(CATCH 22 下巻?)
     3.PLAYMATE AT HANOI
     4.CATCH 22(C)
     5.STAYIN' ALIVE
     6.構造I
     7.CIRCLE/LINE ~ HARDCORE PEACE
     8.HEY JOE
    (アンコール)
     9.S
    10.MIRROR BALLS


    1~6まで6曲で約2時間。ほぼ各曲20分ずつ、ソロパートも多く加えてたっぷりと時間をかけて演奏していきます。

    1は4月のライヴでもオープニングで演奏していたダブ風味のヴァージョン。前半では高井のギターソロを、後半テンポアップしてからは大友の爆裂ソロを各々フィーチュア。特に大友のソロはテンションが高く、ギターを肩から下ろして振り回してフィードバックさせたり、客に渡して弾かせるなどかなり飛ばしていました。菊地のコンダクションによるブレイクもかなり頻繁に入ります。後半ドラムパートを1人ずつ独立して聞かせていたのは面白かったです。特に芳垣のROVOばりのドラムと菊地のオルガンのデュオ部分もかなりの高テンション。1終了後に菊地はあまりの客の盛り上がりぶりに「ひどい、バカ騒ぎだ」とコメント。また、BGMで流していたCDJを指して「デューク・エリントン・オーケストラの皆さんです」と紹介する悪ノリぶり。

    2は初期のライヴでは「CATCH 22・下巻」として演奏されていた曲。ハイハットの刻みを中心にしたリズムやベースのリフなどは同じですが、ブラスの入る展開部はかなり変わった印象です。前半はtpによるソロを中心にした展開。菊地は次の3との繋ぎで、CDJでソプラノヴォイスをループした音や、現代音楽調の音源を使用します。

    3は冒頭のシンセによるテーマフレーズを入れる前に、リズム&リフのみでかなり長時間引っ張ります。中盤は津上のss~tpの、後半は大友のギターソロ、リフが変わってからは坪口のプロフェット5のソロをフィーチュア。

    4と6は4月のライヴでも演奏した曲。ハイブラス入り編成専用曲か? 4は菊地のコンボオルガンによるソロをイントロに、前半は津上のソロをフィーチュア、最後は藤井のハイハットの刻みのみを残して、そのままムーディーなCDJの音へつないで5へ。

    5は2000年のみるくでのライヴ以来久々に聞く曲。その時はひたすらダウナーな演奏だったという印象でしたが、ここではテンポはぐっと落としながらもかなり引き締まった演奏でした。坪口のエレピによるイントロからスタート、前半は津上のソロ、後半は大友のソロが入ります。菊地はハープシコード音色のキーボードを使用。後半、吉見&大儀見の3連系のリズムが入るところが面白い。最後は大友の長いフィードバック音と菊地のオルガンのロングトーンがフェードアウトして終了。

    6は菊地のハープシコード音色でのソロでスタート。鍵盤を離すときのスピードで余韻が残るような音色にしてあるのが面白い。リズムが入ってからは坪口のプロフェット5によるソロ、大友のソロと続きます。大友のソロは5の無骨だけどメロディアスなソロから一転、アグレッシヴな演奏です。その後は青木のtbソロへ。

    6から間髪を入れず7へ。ここでは津上~坪口のエレピとソロを繋いでいきます。8は当然ギターソロを中心に展開。前半は高井の、後半は大友のソロと続きます。

    アンコールは9~10を立て続けに演奏。時間の関係で2度分のアンコールを1度でやったというところでしょうか。盛り上がりすぎの7~8の後に、比較的落ち着いたこの2曲というのは定番ながらよく考えられています。高井のセミアコによる刻みギターを中心に展開する9では津上がソプラノによるメロディアスなソロを聴かせます。10ではゴセッキーのテナーのソロが聴かれます。

    終演時間は5時ちょっと前。3時間で10曲、非常に内容の濃いライヴでした。各曲の説明を見ても判るかと思いますが、通常に比べて大友のソロをフィーチュアする割合がかなり高めになっていました。これはやはりこの日を最後に大友がDCPRGを脱退するためという事だったんでしょう。

    8の最後で大友は水を観客に向かってまき、演奏終了後は菊地が持ってきたシャンペンの栓を抜いて客席に振りまきます。アンコールで出てきた際の菊地のMC(アンコールでメンバーを呼び出す際に)「飲んでる人から順に呼ぼう。吉見さん(笑)。今日はあんまり叩いてませんでしたね」「あーあ、大友っちの水がシンセとCDJにかかっちゃった。これは壊れたな。(詫びる大友)」「歓声もいいんですけど、たまにはブーイングあびるのもいいよね。こいつ(大友)が脱退するんだ(客席からお約束のブーイング)」「脱退の理由? 僕と大友がケンカしたという説がありますがとんでもない。こんなに機材に水かけられて(爆笑、大友だけ苦笑)。理由は女の取り合い(笑)、いや違う、音楽性の違い。(客席からの「エーッ?」という声に)エーッって言うな(笑)」

    返信削除