2005年6月15日水曜日

TOWA TEI FLASH TOUR FINAL@恵比寿リキッドルーム 2005/06/14

プラスチックセックス







��時半ごろ恵比寿リキッドルームへ。
towercafeというのがあって、フロアの曲がここでも聴けるみたい。テイさんセレクトのCDとかが並んでいて飽きないのだけどとりあえずフロアへ行ってみた。
フロアではDJ NANAKOさんという女性のDJの人がまわしていて、4時半にもかかわらず満員でみんな踊りまくっている。リキッドの音も良いし、このDJのかけている曲もunderwaterぽくって気持ちいい。ティムデラックスのDJとよく似ていると思う。
ゲストで一番盛り上がっていたかもしれない。

��時半ごろからはDJ SINCOが登場。最初はラップ混じりのヒップホップサウンドで合わないかなーと思っていたけどやっぱりこの人上手いや。Felix Da Housecatぽい感じの骨太の音やアシッド/ミニマル/ハウスぽい感じだったりと今日のDJさんの面子とはちょっと違ってていいね。
��時半頃からplasticsexが登場。1曲目は意外とプログレっぽい感じであれーという感じ。Park~Eight Days A Weekぽい感じかな。でも、中西俊夫さんかっこいいね。佐久間さんも渋い。
plasticsexてこんな感じかなと思っていたら、野宮さんが登場。年齢不詳。plasticsの曲もかなりやってくれてうれしい。リズムボックスを踊り子の人がポチっと押して曲が始まるんだけど結構ボタンの押し間違いが。plasticsの時代もトラブルが多かったみたいなのであーこんな感じなんだろうなと妙にうれしい。でもplasticsもこんなにギター強めな感じだったんだろうか。Top Secret Man、Digital Watch、Copyとかもやってたけどアルバムより結構ギター強めなのね。plasticsexはまた違うのかなあ。でも見れてうれしいや。
DJ AOBAこと山咲千里が登場。曲はアゲアゲのハウス中心かな。時折とちって横の保護者のような人に助けてもらっているけど、盛り上げようとがんばっているので微笑をもって見てしまいますね。ミスなければ基本に忠実ないいDJさんですよ。
bdが登場。きちんとbdを見るのは3年ぶりかな。
��曲目。なんだ、My Bloody Valentineとかソニックユースっぽくなっているよ。今回もサポートは小川千果さん。小川さんのドラム始めて聞いたけど結構好き。小柄のわりにしっかりした音を出している。ちなみに1曲目の曲はシュガーさんがお気に入りのギターのをなくして悲しみにくれて作った曲だって。2曲目と3曲目はCyclicとPshychic A-Go-Goだったかな。Cyclicはやったかな?小川さんがいるからか、ステージ構成が正面を向く形ではなくって四人が囲んでセッションをする形でそれはそれで職人ぽくってかっこいい。4曲目だったかな。ムーグさんがシャウトする曲。プログレ、ノイズ、ポストパンクぽくってかっこいい。歌い終えてムーグさん一言。「あー楽しかった。帰ってプリンでもたべよっと。」だって。
当然ラストは303 Live。これものポストパンクみたいなアレンジで新曲はソニックユースとかあっちの方向を向いていってるのかなと思ったよ。
そして8時半頃からテイさんが登場。アイドルのような人気。当然1曲目はMILKYWAY。ターンテーブルの曲にあわせてのlive。素敵。一気にPARTYって感じ。そのあとは、どちらかというとつなぎの上手いハウス。あ、宇川さんも炸裂。餃子と幾何学上の模様とのDVJ MIXとかVIDAL SASSOONのCMのスクラッチとか。さすがに疲れて10分くらい休憩。でもせっかく来たのでもったいないのでフロアに戻って踊る。最後にUNDERWORLDの"Two Months Off"かけたのには驚いたな。うわー直球じゃないですか。楽しませようというのがよく分かる。
 2時間たっぷりのDJセットを聞かせてもらったあと、liveフロアに移ってマイシャロナ。ものすごい盛り上がり。中西俊夫さんかっこいい。シュガーさんと大野さんのギターとベースがむちゃむちゃ渋い。で、plasticsexの踊り子の人やら野宮さんとかがフロアで踊る。野宮さんお酒をフロアにまいて挑発。かっこよすぎ。この瞬間のためだけに来ても満足でしたよ。

Towa Tei

秘すれば花−東アジアの現代美術−@森美術館 2005/06/14

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 森美術館の見た「秘すれば花」の記憶の続き。
 図録を見ながら思い出しています。図録はいつも買うわけではないのですが(重いので)、記憶が消えると探すのがたいへんだから。
秘すれば花という森美術館で開かれた展覧会は、基本的に二つの部屋で構成されていて、奥の部屋はちょっとしたエッセンスがあふれる部屋でした。
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 部屋に入ると、波板や廃材?で作った携行折畳式喫茶室(ポータブル茶室)が置かれていて、いきなり伝統パンク。中に座るのではなく腰掛けるみたい。その周りにいろいろな大和絵が置かれている。山口晃の作品だそうです。東京の俯瞰図とか六本木ヒルズの大和絵があって、ぱっと見たときは伝統的な技法で六本木ヒルズを見ているのかと思っていたけど、改めてみると、空調とかビルの窓とか特徴的な部分は写実してるのだけどその他の部分ではフィクションが多いのね。明治の頃のような建築や寺院作りの入り口やら、電車は路面電車で。かといって六本木ヒルズの地下の部分は詳細に書かれてるんだよね。そこら辺がだましていて見ていて面白い。

 で、その前に山口晃とはまったく関係がなく一つの部屋が。リン・シュウミンの作品で床に白いマットが敷かれていて日本人の子供がねっころがって、手と足を空中に泳がしてきゃあきゃあ言っている。上を見ると頭上に机や棚や椅子があって。それだけなら誰かがやってそうなのだけど、その上で光がゆらゆら揺れる。金魚とすこしすると気づくのだけど火の玉のような感じで、おそらく手足を伸ばせば重力がなくなった感じなのかな。で、部屋から出て次の展示を見ようとすると液晶ディスプレーが置かれていて家具が写っていて何かが動いている。すぐにそれが金魚と中の部屋の子供と気づく。そのとき初めて自分が金魚の水槽の中にいたことに気づく。
 その反対側にはマイケルリンさんの家具が置かれている。森美術館でのマイケルリンさんのソファーはリュウ・ジンファの草間弥生の作品のような白磁で出来た帽子やかなづちや靴やあらゆる生活品が白い壁の前に置かれてておしゃれ。でもリュウ・ジンファの作品を見てると強迫感がただよう。生活観あるものを1色で塗り固めるのは異様ですよね。
 その斜め後ろに3枚の掛け軸が。漢語の言葉と山水画が描かれているが、動いている。動いているというか山水画の山は魚の頭で作られている。箸でつままれている。宋冬さんの「食べる山水画」というビデオインスタレーションだそうで。
 素敵な発想を持つ人が中国にもいるようで、これ大好きだった。
 掛け軸の横には畳とテーブル(ちゃぶ台)が。何のことかよく分からなかったのだけど、あとで読み直してみると、このリー・ミンウェイのダイニングプロジェクトって「観客の中から食事に招待する人を決め、食事に招待された人の希望にしたがって作者自らが料理したあと、展示会場に置かれた自分の空間で食事するもの」だったんだって。緩やかなフルクサスというか攻撃性のないハイレッドセンターだ。
 畳と一つの空間のようにその横には乳白色のクローゼットと寝室が置かれている。ジャンウンボクという人の作品だけど、洗練された東アジアの女性的な儒教的な生活空間が素敵だった。作品というよりは生活空間を見せてる感じ。センスがいいなあとおもわせていた。
 その横にあったのかなあ。伊庭靖子の白い寝具が描かれた油彩がどこかにあったようなのだけど、気づかなかった。寝具があるならあそこしか考えられないのだけど、あまりに瑞々しさがジャンウンボクの寝具と合いすぎていたんだろうか。
 反対側には釣り目の女の子の絵があって、その両脇に二つの木で作られたミニチュアの白い小屋がある。釣り目の女の子もこの2・3年で変わってきたような気がする。大人になったというか。
 小屋を覗くと「glaf」で見た覚えがある奈良さんの仕事場が。あの時は等身大の仕事場だけど今度はミニチュアの仕事場。もう一つの小屋もどこかで見たきがする。あーこの空間だ。と気づく。
 その横にトイレと洗面所が置かれている。子供が並んでいる。なんだろうと並んでいると虫眼鏡を渡される。人が並んでいるからどこを見ればいいのか分かるけど人が並んでいなければ分からない。ハムジンという人の作品は1cmほどの小人のフィギィアで愛嬌のある表情で蠅の上に載ったり、歯ブラシの上にいたり、かくれんぼをしていたり。
 とここまで、秘すれば花の会場を全部見てきたことになるが出口で、須田悦弘さんのワークショップで一般参加者が作った草花が展示していた。須田さんには遠く及ばない草花だけど草花の意思は持っていた。
 で、須田さんの作品を今回も見落としそうになった。もう一度会場を見直して。あった。リン・シュウミンの作品の横、人が寄らないような白い細い空間の奥に木蓮が一輪指してあった。

2005年6月14日火曜日

秘すれば花−東アジアの現代美術−@森美術館 2005/06/14

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 2週間前ほど前にみた展覧会のことを。

 もう、森美術館に行くのは4回目となります。2年で4回ですからかなりなリピーターということか。

 今回は東アジアの現代美術ということで当初はそれほど期待してませんでした。また水墨画でも見せられるのかとその程度だったのですが、行った人の感想がどれも思ったより良かったという感想で、それなら行っておくべきでしょうと重い腰をあげていってきました。(2年で4回は軽すぎでしょうともいわれそうですが)

 結論からいいますととっても良かったです。図録を買いましたので図録をもとに復習してみます。とはいえ、興味を持った作家さんをもう少し詳しく知ることは出来るというか、この図録あまり展覧会の写真が載っていません。というか皆無です。これも「秘すれば花」なんでしょうか。

 図録はマイケルリンという今回の展覧会にも艶やかな花柄の家具を提供していた作家さんの「pillow #7」の柄が装填に使われています。とはいえ、普通に使われているのではなく印刷面を裏にして柄を裏映りさせているわけで穏やかな具合に仕上がっています。穏やかな主張って東アジアっぽいですね。

 森美術館の特徴なのでしょうか、会場に入ってまず最初に展示される作品は、いつもこの展覧会の性格を示唆するようなものの気がします。
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 小林俊哉の「霧の中の風景」という作品は水墨画?と思わせる写真作品。その写真は、まるで墨で書かれたような霧に包まれた森なのだがそこに森があるのかどうかも包むような濃い霧で水墨画だと思い込んでいる間は、この人は何を示唆して隠しているんだろうと考えてしまう。それが写真と気づくとこんな現実があるのかと驚嘆すると同時に、この霧の中に何が隠れていたのだろうか考えてしまう。実は何もないのかもしれない。でも想像を掻き立てられて脳内で楽しんでしまっている自分がいる。まさしく秘すれば花だ。
その隣に並ぶのがユ・スンホの水墨画もどきの山水の作品。一見伝統的な感じを感じさせるが、正面にシュ・ビンの鳥の作品があり反対側にウ・チチョンの雨の作品やファン・インキの「雨上がりの仁王山」という黒いシリコンのドットと人口クリスタルがキラキラと輝く山水画が普通ではない感じを漂わせる。
 そういった雰囲気のなかでユ・スンホの作品を見ると全てが小さなシューとかdadaとかのハングルで書かれていたことに気が付く。一瞬DELAWARE(http://www.delaware.gr.jp/)が関わっているのだろうかと思ったけど、結局世界同時進行なんだろうねと思う。
 ウ・チチョンの雨の作品は20センチ四方のキャンバスのような画面に霧の街のような風景が映し出されていて、時折画面に雨粒が付く。DVD作品で伝統的なものを描いている感じ。
 ファン・インキの「雨上がりの仁王山」という作品は黒いシリコンのドットと人口クリスタルがキラキラと輝く山水画。ドットで山水画を描くあたり変わってきているんだなーと思わせるし写真ではわかりにくいが人口クリスタルが輝く感じはかなり現代的。
 そして中央にシュ・ビンの鳥の作品があって、これがすごくいい!!
足元に透明のコップでイメージした湖があって、文字の鳥が羽ばたくようにいくつも吊るされている。湖の近くが中国の漢字の簡体字の鳥、中央は日本で使っている漢字の鳥、空に近づくにつれて篆書、甲骨文字と鳥の形に近づいている感じ。実はコップの湖はシュ・ビンの作品ではなくってソン・ジョンウンの作品だとあとで分かったのだけどとてもよくあっている。
 これが中国人だと簡体字から見上げていくのだろうけど、日本人の目から見れば日本の漢字である繁体字がまず目が行って、湖に近づいて簡体字に簡素化される方向に進むべきなのが、空へ向かって象形文字へと向かうのか一瞬悩んでしまう。象形文字と簡体字もどちらもシンプルなものに見えて、進化と退化って一緒じゃないのかと思ったりする。
 いずれにしろとってもきれいな作品である。
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 その後ろはクォン・キースーの作品が、伝統的な山水画に現れる漫画のキャラクター。伝統の中に現れる現代かな。現代を元に過去を見るということかな。古いものの中に新しいもの、東洋のものの中に西洋のもの、西洋のものの中に東洋のもの、隠し味のように現れる感じは秘すれば花だったのだろうね。
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 その横には、丸山直文のアクリル絵具で書かれたpath2という4月くらいの水の蓄えられた田んぼを耕す絵画は、水彩の水墨画のよう穏やかな空気が漂ってすごく心地よい。