2004年1月25日日曜日

田中一光回顧展@サントリーミュージアム/建築家スケッチ原画展@中ノ島図書館(100周年)/奈良美智展と華雪など@graf/ジョゼと虎と魚たち@梅田ガーデンシネマ/TIM DELUXE ・YO*C@MOTHERHALL 20040124

田中一光回顧展
 LOFTもSAISONもMUJIも。
 光朝体というフォントまで作っていたという。
 自伝で読んだ風景がポスターでよみがえるのだけど、
 昭和30年代ってこんなにカラフルなのかという衝撃。

 というか異端だよね。1960年代になれば、この人のカットも色も違和感がなくなってきたが、それは僕のイメージする  60年代そのものだからか。異端が中心に変わる変化が面白かった。
 50年代の作品は最近のものといわれても分からない。
 スタンダードを年代と一緒に置かれることによる重みがあった。
 田中一光の色という感じでCDとか出してくれないかなあ。
PICT0272
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中ノ島図書館
 今回の大阪は結構バタバタしていて、grafの場所を調べてなかったので、難波のローソンでエルマガジン買ってサントリーミュージアム行くまで読みふけるんだけど、地図が良くわかんない。近くの駅が書いてないので土佐堀川が流れていて四ツ橋筋が通っているあたりの駅を必死にさがしてました。
 という訳で、今橋で降りて川沿いに歩けば肥後橋に当たるだろうと歩こうとしたら、目の前に古い建物が古い建物が。ふらふらと吸い寄せられると中ノ島図書館100周年だって。未だ現役なのね。
 SHD(超高精細画像表示装置)で蘇る近世大阪の風景
 『大阪府立中之島図書館蔵 錦絵に見る大阪の風景(江戸〜明治)』 というのもいうのもあったのだが、何がすごいって28インチディスプレイ。
 28インチというのは無駄にでっかい。だって、テレビのように離れて見ないんだし。
 建築家スケッチ原画展というのもやっていて、時間無いのになーと思いつつ覗く。
 設計図の線だけの建物の姿って結構好きなんだよね。インクのブルーの細い線だけでかかれている姿はきれいだおもう。2日後図録が届く。やっぱりきれいだ。だって、作者が最もきれいにと考え書いたわけだから。
奈良美智展と華雪など 
PICT0287
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中ノ島を川沿いに歩くとgrafまでそれほど遠くないことに気づく。
 grafでの奈良美智展は2年前の芦美での奈良展の奈良さんのスケッチや試作品みたいなものがいっぱい張られた部屋があったのだけど、それに近い創作の部屋の再現と、ハピネス展で一枚だけ見たポスター写真の続きのような手紙と写真のような作品とスライド作品。ハピネス展のポスターの写真が好きだったので続きの作品が見れたのはハッピーだった。
 奈良サン、最近女の子の作品が減ってきているが心境の変化なんでしょうかね。
PICT0281
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 奈良展を一通り見終わったら淳ちゃんからメールが。今からgraf行きますとのこと。おお、ということで少しまって、他の物販や以前の展覧会の物販作品などを見る。すると、その中に華雪さんという篆刻家の人の作品が。あーここかー。
PICT0284
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 やはり、見たいものというのは一つの場所に集まるのだねと思った。
 で、淳ちゃんと会うも2・3分くらいしか話できなかったなあ。その後ジョゼへ。
『ジョゼと虎と魚たち』
PICT0291
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 ジョゼを見に映画館へ入ったときは、10分の遅刻。くるりの音楽と挿絵から始まっていたので、写真のモノローグは見てない。
 幸福を手に入れるまでが寂しくなく感じ、幸福を手に入れてからが寂しく感じる。
 矛盾のような感じに泣けた。
 虎のシーンを見た後、急に終わりが近づいてきた感じがして。
 「ジョゼと虎と魚たち」だから、魚を見たら終わりなんじゃないかと感じた。
  「別に寂しくはない。はじめから何もないねんもん。ただゆっくりゆっくり時間がすぎていくだけや。」
  「うちはもう、あの場所には、二度と戻られへんねやろ」
  「いつか、あんたがおらんようになったら、迷子の貝殻みたいに、一人で海の底をコロコロコロコロ転がりつづけることになるんやろ」
  「でも、まあ、それもまた良しや」
 「良しや」はどういう意味だったんだろう。望んだことだから、それゆえに迷子の貝殻になっても後悔はしないということか。ゆっくりゆっくり時間がすぎていくよりは今の代償がそれになってもということか。刹那。
 それにしても、ゆらゆらと余韻を引きずる映画だった。
TIM DELUXE ・YO*C
 ジョゼの余韻がもったいなくタワーレコードで時間をつぶしてから11時頃MOTHERHALLへ。
 会場は八分の入りで、オープニングアクトのDJさんがまわしていたが、結構既に盛り上がっている。
 曲もTIM DELUXE に合わせてか、明るめの曲も混ぜてのハウスが流れている。
 クラブが苦手なのはDJが合わないとロックアウトされる室内での6時間が苦痛になるところ。
 しかし、そこは大丈夫。おもてなしの心をもった2人のDJだから。
 TIM DELUXE という人は、ダレンエマーソンに愛され彼のレーベルでレコードを出していて、トラディショナルなブリティッシュ的な歌もの音源をハウスに合わせてMIXするのが特徴的な人なので、自分の音源以外も持ちねたは、歌ものが多め。エスニック風の曲もあるが、やはりイギリスならではな特徴でしょう。ラテン色薄めでロック色強めでした。
 12時頃現れたTIM DELUXE は気さくにお客をあおる。この人のもうひとつの特徴はエフェクター(だったっけ。ミキサー?)の絞りを利用した、ための多用なので比較的分かりやすく楽しめる。分かりやすいっていいことだ。
 分かりやすいといえば、使うネタもマイケルジャクソン「ビリー・ジーン」にニルバーナ「Smells Like Teen Spirit」などもあった。当然、2年前のエレグラでも去年のレッドマーキーでもかけていたUWの「born slippy」MIXも当然かけていた。MIXのパターンも完全に同じ。でも会場は大盛り上がりだから、お客を考えての選曲だろう。期待する曲を期待するようにかける。日本初ツアーならそれも良しでしょう。3時間のプレイも飽きなかった。
 3時頃、TIM DELUXE からYO*C(ヨッシー)へバトンタッチ。今回のイベントはTIM DELUXE のツアーであるから、メインの人が終われば、お客は一人減り二人減りが当然で、確かに客は減っては来ていたが、まだ踊り足りない人たちで盛り上がりは落ちていない。むしろ人が減って踊りやすくなっていた。
 YO*Cという人も気にはなってはいたが、今まで自分の行くジャンルの人たちと合わないため見なかった。でも、信頼する人が何度も書いている人だから間違いは無いはず。
 TIM DELUXEに比べると、歌と曲の割合が、2対8て言うような感じだけど、あおってあおって盛り上げてという間が楽しい。曲もBPMが高めのハッピー感漂う、トランスやハードハウス。TIM DELUXE と曲調が違うのもいい。正直なところ同じような人ばかりだと飽きるから。
 朝の3時だけどまだまだとまらないという感じの選曲は非常にうれしい。人も少なくなって踊りやすいし、本来なら眠たくなって疲れてくる時間。
 あっという間に2時間半。アンコールを含め終了は5時半。最後の曲は名前が思い出せないのだけど、照明が全てついてキラキラした中で、「come here stay with me」と流れる。よく聴いた曲だ。名前が思い出せないのが悔しいなあと思いながらキラキラした幸福感が楽しかった。
 外に出ると、まだ夜明け前。町の静けさが対照的だった。頭の中でまだ流れる曲、一瞬の幸福感が冷たい外の空気に包まれて研ぎ澄まされていた。