2006年8月27日日曜日

めかくしプレイ

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いや、エロい意味じゃなく。
 「100人のミュージシャンがレコードを聴いて発言!」と言う本でね。
 知らなかったんですけど、スタジオボイスやらミュージックマガジンに連載していたんだなあ。スタジオボイス時代はスタジオボイス的というかその読者ならすぐ分かるような人選だなあ。ミュージックマガジンになってから有名無名織り交ぜてだけど妥協はしていないなあと言う人選かな。

 結構めかくしプレイというのも面白いなあ。

 第1回の山本精一さんの話を読んだとき何か感想がが若いなあと思ったら9年前の話だったようで。オウテカのアルバムに「ウォーターメロン?、中西俊夫、違う?でも日本人じゃない?」とか山本精一さんに聞かせる音楽も、感想も若い。多分、当時に読んでても何だか分からなかっただろうなあ。9年の年月はよい具合に年を重ねているのかな。
 めかくしプレイだからジャケットを見せずに曲を聞かせるわけだけど、すぐに当ててしまう曲よりも、当てられない曲の方が面白い。曲を聴いて「吉祥寺か新宿。79年か80年頃の情景を思い出す。」とかその人の感覚でしか残っていない部分が読めるし。「イントロからスティールドラムか。細野さん絡みかな」とかやっぱり色々聴いてるんだなあとか、そういう聴き方になるんだとか。
 連想ゲームのように曲の音像がつかめるので、最近読んだレビュー本の中ではダントツで面白かったです。

雑誌『ミュージック・マガジン』で松山晋也さんが好評連載中の「めかくしプレイ」が1冊の本に!100人のミュージシャンがレコードを聞いて発言!お馴染みの戸川純、遠藤ミチロウ、フリクションのレック、JOJO広重、Phew、HACO、工藤冬里などなど!1アーティストにつき3~4Pのインタビューが載っています!ディスク・ガイドにも最適!表紙:夏木マリ。A5版。320頁。(2006年7月。発売元:ミュージック・マガジン)
発言するミュージシャン(掲載順)
山本精一
袖木隆一郎+會田茂一(エル・マロ)
スガシカオ
曽我部恵一
竹村延和
まりん(砂原良徳)
浅田祐介
坂本慎一郎(ゆらゆら帝国)
石垣窓+吉田奈邦子(フリーボ)
西脇一弘(さかな)
コモエスタ八重樫
大熊亘
直枝政太郎
サワサキヨシヒロ
青柳拓次
高木完
朝日美穂
吉田達也
シュガー吉永++大野由美子(バッファロー・ドーター)
七尾旅人
中原昌也
福間未紗
coba
もりばやしみほ
増子真二(DMBQ)
岸野雄一
豊田道倫(パラダイス・ガラージ)
灰野敬二
嶺川貴子
JOJO広重
戸川純
高野寛
オノ・セイゲン
井上薫(Chari Chari)
小西康陽
半野喜弘
Phew
岸田繁(くるり)
ホッピー神山
青山陽一
小島大介+畠山美由紀(ポート・オブ・ノーツ)
菊池成孔
アメフォン
レイ・ハラカミ
久保田麻琴
山口洋
大友良英
遠藤賢司
片岡知子+長瀬五郎(インスタント・シトロン)
柏原譲
YAMAUCHI
勝井祐二
鈴木祥子
ASA-CHANG
遠藤ミチロウ
タツヤ・オオエ
益子樹
上野洋子
中島優美+浜田亜紀子(Go!Go!7188)
サエキけんぞう
梅津和時
KOHKI
上野耕路
OKI
倉地久美夫
沢知恵
中川敦
ミト(クラムボン)
コンボ・ピアノ
浜田真理子
不破大輔
向井秀徳
今堀恒雄
清水靖晃
中川五郎
松永孝義
パンタ
工藤冬里
柴山伸二(渚にて)
フェルナンド・カブサッキ
ピエール・バルー
カルメン・マキ
ヤマジ・ヒデカズ
HACO
清水一登
日暮愛葉
鬼怒無月
レック
芳垣安洋
鈴木惣一朗
高橋鮎生
ヤドランカ
角松敏生
湯川潮音
山崎ゆかり(空気公団)
高橋敏幸
巻上公一
夏木マリ【ロング・ヴァージョン】
あがた森魚【スペシャル・ゲスト】
小山田圭吾【スペシャル・ゲスト】

2006年8月20日日曜日

the SUN

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 18日。名古屋のシネマスコーレでのメインプログラムの最終日。1回目も2回目も立ち見の状態。100人程度の小さな映画館だけど立ち見が続くのだからすごい。

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 漆黒のパンフレットの表紙に深緋に近い赤の帯があり金箔型押しをイメージした「The SUN」のタイトルが書かれている。表紙を一枚めくると裏面に「彼はあらゆる屈辱を引き受け、苦々しい治療薬をすべて飲み込むことを選んだのだ。」というアレクサンドル・ソクローフ監督の言葉があり、渋紙色をした和紙をイメージした内表紙には水墨画の桜。その中心に漆黒の題字の「太陽」と力強く書かれている。
 重く落ち着いた色調に力強さと美しさを感じる。
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 映画は気品のある防空壕でのたった一人の質素な朝食風景で始まる。質素ではあるけどもそれは高貴な人の食事ということがわかる。それが1945年の8月だからだ。20世紀の独裁者を描くソクローフの4部作の3作目という目で見ればこの人はいったい何なのだと思うに違いない。主人は侍従の言葉に「あっ、そう」と心あらずのような言葉を返し、軍人の集まる会議では和歌で心を語り、研究所では白衣をまといカニなどの海洋生物に心をはせる様は現実の時間と違う世界にいる人のよう。
 まるで非現実的な世界だけれども、僕らには本当にそうだったかもしれないと思わせる。何しろ主人公は実在した人物で「あっ、そう」という語り方はよく聞いたことばだったから。
 鳥が泳ぐような怪物的なB29や魚が降り注ぐような爆弾や黒い炎は非現実だし、転寝からさめると戦後になっているような映像表現は演劇的であり一人芝居のよう。
 しかし、非現実的な世界と人物を演じておりながら、時代考証と人物観察が完璧なためリアリティがあり現実的である。だからより、彼に関心が行くし好きになっていく。そして、この話は事実なのかも知れないと思えてしまう。
 セピア色した質素な一室と中年男性の映像にもかかわらず素敵に見えてしまうのは彼が高貴だからかもしれない。それは監督の意図するところかもしれない。素敵な映像美だった。

2006年8月1日火曜日

かもめ食堂@新富座

4ヶ月遅れのかもめ食堂。
 朝いちの映画で見て、見終わったらちょうどお昼で、美味しいご飯が食べたくなる。そんな映画でした。
 色々あっても、焼きたてのシナモンロールや暖かいコーヒーがあればほわっとと笑ってしまう。そんな映画でした。
 玉子焼きが美味しそうだったな。
 かもめ食堂に人が増えるごとになぜかこっちも楽しくなってくるね。ちょっとしたエピソードがとても楽しいと感じる。

 そして、かもめ食堂のブログに書いてありました。
 荻上監督の『かもめ食堂』の次回作が決まりましたそうです。タイトルは『めがね』、主演は小林聡美さんです。

 まだまだ来年ですけど、またまた楽しみ。